八幡医師会
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八幡医師会 会長挨拶

社団法人 北九州市八幡医師会 会長 白石昌之

今日、医療を取り巻く社会環境は大きく変容しています。中でも最重要課題と考えられる事は急激な高齢化を伴う人口の減少です。総務省が平成21年4月16日に発表した2008年10月1日現在の都道府県別、年齢別の推計人口に拠れば、日本の総人口は1億2千769万2千人で、前年に比べ7万9千人(0.06%)減少し、65歳以上は5人に一人となっています。北九州市では65歳以上の高齢者の占める割合は23.9%(平成20年度)となっており、八幡東区においてはすでに30%を超えています。一方、昨年9月の米証券大手リーマンブラザースの経営破たんに端を発した世界的な経済不況により、平成20年度の日本の経済見通しはマイナス3.3%と予想されています。また、今年5月1日に発表された労働力調査では、3月の完全失業率は4.8%となっており、遠からず日本の失業率は過去最高の5.5%を超え来年には6%を超える可能性があると言われています。
こうした社会環境の変化に伴い、今後の医療施策は、不況下あるいは経済の低成長という環境の中で、如何に「高齢者を標準とした医療・介護」を提供していくかという視点で議論される必要があります。住民・患者が安心して過ごせる患者本位の医療が、地域医療のあるべき本来の姿だと思っていますが、これからの私たち医療提供者は、住民・患者に安心・安全な医療を提供するだけというこれまでの姿勢から蝉脱し、高齢者の生活支援や高齢者が安心して住める街づくりにも積極的に参加しなければなりません。そのためには、1)住民・患者のセフティーネットとしてのしっかりとした医療連携を構築すること2)在宅緩和ケアを含めた在宅医療を支援するための組織作り3)医療・介護に関する情報に加え、高齢者の生活支援のための情報提供など広報の更なる充実などに取り組まなければならないと考えています。
今、医師不足による公立病院等での診療科の閉鎖や救急患者の引き受け困難例が多発しており医療崩壊が現実となっています。財務省はこの医師不足が医師の偏在に因ると指摘し、開業医の年収が病院勤務医の年収の1.8〜2.0倍に達するとして、診療報酬の配分を見直し、待遇の格差を縮めることで勤務医から開業医へのシフトに歯止めを掛けようとしています。レセプトオンライン請求義務化もそうですが、医療制度改革や私達医療関係者の生殺与奪が、医療の現場を知らない財政主導を唱える一部の官僚に任されているのはおかしな話です。医療の根幹に関わる診療報酬の改定率は、政府が予算編成過程で決定し、その配分については中央社会保険医療協議会(中医協)で協議されます。国や中医協の場に私たち現場の声を反映させるために、医政活動の更なる強化に努めてまいりたいと考えています。
今年度は、看護師の質的・量的確保のための看護師科3年課程の早期設立の検討、平成25年度までに成し遂げなければならない八幡医師会の公益法人化に向けての具体的な対応など、執行部に残された課題が山積しています。執行部一同、心を一つにして以下の重点項目に取り組む所存です。 



平成21年度の事業計画の重点項目

  • 救急医療を中心とする地域医療提供体制の再構築
    第2夜間・休日急患センター準夜帯の医師会への委託に伴い、二次救急医療を担当する救急告示病院及び上部医師会との連携を図り、市民が安心のできる救急医療体制を構築する。
  • レセプトオンライン請求義務化への対応
    レセプトオンライン請求義務化が順次進められており、レセコンを使用している診療所においても、平成22年4月よりオンライン請求が義務付けられる予定となっている。八幡医師会では、レセプトオンライン請求義務化に反対であることを訴えていくと同時に、義務化となった場合に備え、会員医療機関の負担を軽減するため、代行送信等支援策を検討する。
  • 勤務医・研修医との連携強化
    大学医局に所属していない勤務医・研修医が半数を占める現在、生涯学習の手段として医師会への所属を促し、八幡が彼らの第二の故郷となるべく地域全体で育成に取り組む。
  • 在宅医療・緩和ケアの推進
    地域医療の充実のために、八幡及び近隣の訪問看護ステーション、病院の医療連携室との連携を深める。診診連携、看看連携の推進を行い、九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会での発表と、その後のプロジェクトを継続する。
  • 広報活動の推進
    対内広報の充実を図るとともに、市民に医師会活動を理解していただくため対外広報誌の発行を 検討する。
  • 小児生活習慣病(特に肥満)への対応
    教育関係者と共に、小児の生活習慣病(特に肥満)の教育や実効的な予防活動の方向性や方法等の検討を行う。
  • 八幡医師会(医師・医療従事者)無料職業紹介事業の推進
    会員医療機関の医療従事者確保のために、平成21年5月に新設する八幡医師会無料職業紹介事業を 推進する。
  • 次代の医師会を支える人材の育成
    医療は適切な医療制度なくしては出来ないことに鑑み、医療制度改革に関する議論を深め、 次代の医師会を担う人材育成に力を注ぐ。
  • 公益法人移行のための準備
    平成20年12月1日より新公益法人制度が施行となり、今後、公益法人移行へ向けて諸準備を進める。
  • 看護専門学院の将来検討
    少子化に伴う新卒受験者の減少、医療機関における看護師不足を踏まえ、医師会及び会員が一体となって、今後の看護専門学院の運営について高卒3年課程併設も含め検討するとともに、教員の確保に努め学院の運営にあたりたい。
  • 医療・福祉センターが持つ在宅医療部門の強化
    介護報酬改定の周知を測るとともに、地域における介護ニーズの高まりを受け、小児から高齢者を対象に訪問看護、居宅介護支援・介護予防支援を強化する。

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