八幡医師会
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八幡医師会 会長挨拶

社団法人 北九州市八幡医師会 会長 白石昌之

昨年の総選挙で国民は政権交代を選択し、民主党が圧勝しました。民主党は、INDEX・ 医療政策詳細版で「総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げる」と、選挙公約(マニフェスト)で謳っていましたが、この4月の診療報酬改定の改定率は総枠で 0.19%のプラス改定に留まりました。さらに、この改定の中には「後発品のある先発品の追加引き下げ」で捻出される600億円は盛り込まれておらず、これを計算に入れるとわずか0.03%のプラス改定にすぎず、実質はゼロ改定だったことになります。更に診療所の再診料が2点引き下げられました。また、病院勤務医の負担軽減策として、患者からの問い合わせに対し、準夜帯をコアとして24時間対応可能な体制を確保している診療所に「地域医療貢献加算(3点)」が新設されました。この「地域医療貢献加算」は、再診料引き下げの代わりにわずか3点の加算で、診療所にとって殆ど不可能な24時間の患者対応を求めるもので、これまで医師不足による病院の「医療崩壊」が大きな社会問題とされてきましたが、今後この医療崩壊が診療所倒壊による「地域医療崩壊」にまで広がることが危惧されます。一方、中小病院においても地域医療崩壊を予感する診療報酬改定がなされています。即ち、入院基本料算定患者が専門領域でないという理由で他医療機関を受診した場合、入院基本料の30%ないし70%が控除されることになっており、事実上地域医療の原点である医療連携が全く否定されることになりました。こうした理不尽な診療報酬改定がなされたのは、偏に診療報酬を決定する中医協の場から日医が排除されたことに依ると考えています。医療現場の声をしっかり医療制度に反映させなければなりませんし、地域医療崩壊の兆しを市民にきちんと広報することも重要です。そして、そのための努力を私たちは惜しんではいけないと考えています。

こうした一部の官僚による医療現場と乖離した医療制度設計を許さないためには、批判する前に医師会が財源を含めたより良い医療制度・社会保障制度を国政の場に提案することが重要です。会員が医療を諦めることがないように、医療の専門家集団としての医師会が一致団結して物言える政策集団に進化することが、患者の付託に応えることになると確信しています。

今年度は、新執行部となっての初年度に当たります。医療連携を核とした地域医療のさらなる深化と地域での人材育成、しっかりとしたエビデンスに基づいた広報に努めたいと考えています。さらに、平成25年度までに八幡医師会の公益法人化を達成するための具体的な作業に入りたいと思っています。また、看護師養成のニーズの多様化に対応するために、看護師科3年課程創設の検討を更に進めてまいります。

自分の頭で考え、相手によって態度を変えることのない医師会を目指して、執行部一丸となって次にあげる重点事業にまい進する所存です。

平成22年度の事業計画の重点項目

  • 救急医療を中心とする地域医療提供体制の再構築
    第2夜間・休日急患センター準夜帯の医師会への委託に伴い、二次救急医療を担当する救急告示病院及び上部医師会との連携を図り、市民が安心のできる救急医療体制を構築する。
  • 勤務医・研修医との連携強化
    大学医局に所属していない勤務医・研修医が半数を占める現在、生涯学習の手段として医師会への所属を促し、 八幡が彼らの第二の故郷となるべく地域全体で育成に取り組む。また、平成21年に立ち上げた八幡医師会臨床研修医懇話会を更に発展・充実させる。
  • 在宅医療・緩和ケアの推進
    地域医療の充実のために、八幡医師会訪問看護ステーションを中心に近隣の訪問看護ステーション、病院の医療連携室との連携を深める。診診連携、看看連携の推進を行い、平成21年の九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会で発表した内容を更に進める。
  • 広報活動の推進
    対内広報の充実を図るとともに、市民に医師会活動を理解していただくため対外広報誌の発行を昨年に引き続き検討する。
  • 小児生活習慣病(特に肥満)への対応
    教育関係者と共に、小児の生活習慣病(特に肥満)の教育や実効的な予防活動の方向性や方法等の検討を行う。
  • 八幡医師会(医師・医療従事者)無料職業紹介事業の推進
    会員医療機関の医療従事者確保のために、平成21年5月に新設した八幡医師会無料職業紹介事業を推進する。
  • 次代の医師会を支える人材の育成
    医療は適切な医療制度なくしては出来ないことに鑑み、医療制度改革に関する議論を深め、次代の医師会を担う人材育成に力を注ぐ。
  • 公益法人移行のための準備
    平成20年12月1日より新公益法人制度が施行となり、今後、公益法人移行へ向けて、具体的な申請準備を進める。
  • 看護専門学院の将来検討
    少子化に伴う新卒受験者の減少、医療機関における看護師不足を踏まえ、医師会及び会員が一体となって、今後の看護専門学院の運営について高卒3年課程併設も含め検討するとともに、教員の確保に努め学院の運営にあたりたい。
  • 医療・福祉センターが持つ在宅医療部門の強化
    介護報酬改定の周知を測るとともに、地域における介護ニーズの高まりを受け、小児から高齢者を対象に訪問看護、居宅介護支援・介護予防支援を強化する。

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